スポーツ損傷~反復性肩関節脱臼
発症
外傷による肩関節の脱臼は、ラグビー、アメフト、柔道などのコンタクトスポーツに多く、
前下方脱臼である場合がほとんどです。
肩関節は一度脱臼を起こすと、その後はスポーツ活動ばかりでなく、
日常生活での軽微な外力でも簡単に脱臼するようになることがあります。
これを反復性肩関節脱臼と呼びます。
病態
肩関節は上腕骨と肩甲骨との間の関節ですが、接触面が小さく不安定で、関節包や関節唇という軟部組織に支えられています。肩関節が脱臼すると、多くの場合この軟部組織がはがれたり切れたりして、安静にしていてもうまく治らないことが多いようです。
これが反復性脱臼、いわゆる脱臼ぐせになってゆく大きな原因です。
治療
脱臼を整復すればとりあえずは普通に使えるようになりますが、 その後も日常生活あるいはスポーツ活動で脱臼してしまい、そのために活動が制限されるようであれば手術が必要となります。手術は剥がれた軟部組織を元の位置に縫い付ける方法や、骨や腱で補強する方法などがありますが、専門医の判断が必要です。
復帰
手術後は関節や筋肉の運動などの運動療法(リハビリテーション)が必要ですが、 術後3ヶ月までは再脱臼をきたすような動作は日常生活でも避けることが必要です。コンタクトスポーツへの復帰までには約6ヶ月が必要です。
※ 術後3ヶ月までしてはいけない動作
ポイントは肩甲骨の線よりも後ろで手を使わないことです。
物を取るときは、身体を回して身体の前で取るようにしてください。