中高年のためのストレッチングとストレッチの目的
加齢とともに全身反応時間が長くなる
脳が「身体を動かしなさい」という指令を出してから、筋肉がその指令を受け取って体が動き出すまでの時間を、
「全身反応時間」といいます。男性も女性も30歳代を過ぎたころから、次第にこの全身反応時間が長くなってきます。
これは、脳と神経の老化によるものです。
脳と神経の老化を防ぐ
脳と神経の老化を防ぐためにお勧めなのがストレッチングです。ストレッチングは、一般に筋肉をほぐして、からだの柔軟性を取り戻すためにおこなうものという認識があります。 しかし本来ストレッチングは、脳と神経を刺激して、脳、神経、筋肉の指令伝達機能の改善を目的とするものです。 つまり、脳と神経の老化を防いでくれる運動なのです。
筋肉のセンサーと脳のやりとりが増える
筋肉の中には「筋紡錘」という、一種のセンサーのようなものがあります。この筋紡錘は、筋肉の伸び具合を常にとらえていて、神経を通して伸び具合の状況を脳に報告しています。 この報告をもとにして脳からは、「もっと伸ばしなさい」、あるいは「伸ばすのをやめなさい」、といった指令が出されます。
ストレッチングを行うと、こうした脳と筋肉の間の「指令」と「報告」のやりとりが頻繁になります。
それが適度な刺激となって脳と神経が活性化され、脳、神経、筋肉の指令伝達機能の衰えが改善されていくのです。