更年期のむくみと静脈瘤
むくみ
加齢とともに、血液やリンパ液など体液の循環が悪くなります。
更年期以降では、これに自律神経の働きの乱れが加わるため、体液が滞って、からだがむくみやすい状態になります。
顔がむくんだり、脚が膨らんだ感じになったりと、症状はさまざまです。
立ちっぱなしで仕事をしたり、睡眠不足や過労ぎみだと、よけいにむくみやすくなります。
ただし、むくんでも横になれば治ったり、翌朝には解消されるというような場合においては、
生理的なむくみなので、特に心配はありません。
静脈瘤
静脈の一部が盛り上がり、こぶのようにふくれるものを「静脈瘤」と呼びます。 血液の循環が悪くなるのが原因で、主に脚のふくらはぎにみられます。血液は、体のすみずみに酸素や栄養素を運んでから、全身にはりめぐらされた静脈を通って心臓に戻ります。
静脈には随所に弁があって血液の逆流を防いでいますが、この弁が故障したり、働きが悪くなると血液が逆流し、 脚の皮膚のすぐ下を走っている静脈にたまり、ふくれあがるのです。
静脈瘤は見た目の悪さだけでなく、こぶの部分に痛みを感じたり、
下肢がだるくなったり、ひんぱんに脚がつるなどの不快な症状も伴います。
また、かゆみもあるので、掻きすぎて皮膚炎を起こし、その皮膚炎による湿疹が潰瘍に移行することもあります。
静脈瘤は、長時間立ち仕事をする職業の人に多く見られます。
立ちっぱなしだと、血液が下肢にたまり、たまった血液の圧力が静脈壁にかかって
、静脈瘤を引き起こすことになるからです。
生まれつき静脈壁が弱い人なども、血管が拡張しやすく、静脈瘤ができやすいといえます。
日常生活の工夫
① 脚をマッサージする血液の循環をよくして適度な運動やマッサージで血行をよくします。
脚をつま先から太ももにかけて下から上へとやさしくマッサージします。
② 脚を高くしてやすむ
立ち仕事をする人は、休憩時間には椅子などに脚を乗せたり、 寝るときも脚の下に座布団などをあてて脚を高くすると効果的です。
③ 生活を改善する
水分の採り過ぎ、深酒、冷え、睡眠不足や疲労、きつい下着を着ける、といったこともむくみの原因になります。
④ 専用グッズの助けを借りる
朝から脚がむくみ、静脈瘤がくっきり出ているようなときは、 医療用の「弾性ストッキング」をはくと症状がやわらぎます。