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花粉症の原因とその症状・対策

花粉症とは?

花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」ともいわれ、毎年春になると話題にのぼる花粉症。 患者数は年々増加の一途をたどり、日本人の15~20%がその症状に苦しんでいるともいわれています。 アレルギー症状を引き起こす原因物質は「アレルゲン」です。 アレルゲンにはスギやヒノキのほか、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなどいろいろな種類のものがあります。

そもそも花粉症は1960年代から日本で発生し始め、その後急激に増加してきた、いわば現代病。 その背景にあるのは、戦後の植林政策によって、スギの絶対量が増えたこと、大気汚染の増加です。 そして、アレルギーを起こしやすい現代人の不規則な生活習慣や、住宅の近代化によって部屋の通気性が悪くなり、 そのうえハウスダストが増加していること、などがあげられます。
現代社会のあり方と花粉症が密接に関わっていることがわかります。
とはいうものの、社会全体のしくみを簡単に変えることはできません。
今まで症状のなかった人でも突然花粉症を発症する可能性も充分にある環境にあって、花粉症を予防するには、 できるだけ花粉に触れない生活や、アレルギーを起こしやすい生活習慣を改めるなど、 ひとりひとりの意識の向上が必要なのでしょう。
そのためにも、花粉がアレルギー症状を引き起こすメカニズムや対処法を知って、 つらい花粉症の症状から身を守りましょう。

花粉症のメカニズムと症状

花粉が大量に飛ぶ時期になると多くの花粉が私たちの口や鼻から体内に入り込んできます。 花粉が体内に入ると身体は異物の侵入を感知し、その異物を撃退する働きを行います。 そして、その情報がβリンパ球というところに伝わり、抗体を作ります。 抗体とは、身体に入ってきた異物の情報を記憶して、 それが再び体内に侵入してきたときにやっつけようとする働きをするものです。
花粉症の時にできる抗体が、体内に入ってきた花粉を追い出すために、 体内物質のヒスタミンを分泌させ、くしゃみや鼻水などを引き起こすのです。
この反応が強すぎるとつらいアレルギー症状として現れる、これが花粉症を発症するメカニズムです。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状のほか、目のかゆみや皮膚のかゆみ、 のどの痛み発熱など、風邪の初期のような症状を起こす人もいます。

花粉症の対処法

毎年花粉症の症状が出る人は、花粉の飛散が始まる1~2週間前から専門医に相談して治療をはじめるのが望ましいといえます。 症状が悪化してから治療を始めると薬がなかなか効かないことが多いからです。 花粉が飛散する少し前から薬を飲み始めると、症状の出現を遅らせることができる上、その後も症状を軽度に抑えられます。
治療や薬とは別に「温熱療法」や「鍼灸」なども効果があるようです。
・温熱療法
つらいアレルギー症状の原因である体内物質ヒスタミンは、 温度が50度以上になると放出されにくくなるので、その特徴を利用します。 市販の温熱治療器を利用しても良いですし、蒸しタオルを鼻にあてたり、 お風呂に入って蒸気を吸うだけでもだいぶ楽になるでしょう。
・鍼灸
鍼灸は交感神経に働きかけるため、緊張がやわらぐことで症状が緩和されるケースもあるようです。

対処ポイント
なによりも大切なのは、アレルゲンである花粉に触れないことです。 花粉の多い日や時間帯の外出を避けるのが一番なのですが、なかなかそうもいきません。 外出の際はマスクやめがね、帽子などをして極力花粉にさらされない工夫をして出かけましょう。 外から帰ってきたら、まず玄関先で花粉を充分に払い落とし、洗顔やうがいを徹底します。 また、室内のそうじをこまめに行い、花粉症を通年性のアレルギーへと移行させないことが重要でしょう。
・飛散量の多い午後1時~3時の外出を控える。
・帽子やめがね、マスクで花粉をシャトアウトする。
・上着は玄関で脱ぎ、室内に持ち込まない。
・帰宅後は、必ずうがいと洗顔をする。
・ドアや窓を開けっぱなしにしない。
・洗濯物や布団は外に干さない。
・こまめに掃除をして花粉を撃退する。

子どもの花粉症

近年、子どもの花粉症が増加傾向にあります。
子どもの花粉症は、発症をきっかけにぜんそくなど、他のアレルギー疾患に移行する可能性が高く、注意が必要です。
アレルゲンを調べると、ハウスダストやペットの毛など、 花粉以外のものにもアレルギー反応を示す子どもが珍しくありません。
一度アレルギーの症状を起こすと完全に治すことが難しいので、早めの対処が大切です。

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